<生野-長谷>2020.02.06

2020年2月現在、播但線の寺前-和田山は、未だ非電化であり電化されることもないだろうと思われるが、逆に廃線の心配があるかもしれない。ただ、災害時の山陽-山陰間の迂回路の確保を考えると廃線にはしてしまえないかも知れない。

そんな線区なので、まだSLがいた頃の風情が残っている。残念な事に生野駅は、無人になってヤードもなくなり様変わりはしてしまったが、未だに右側通行であり跨線橋やホーム周辺は昔のもので当時の風情が残っている。
生野駅が右側通行なのは、線路の配置が新井側から左通行で入ろうとすると坂を登り切ったところで速度を落とさなければならず、それによる失速を回避するためだったらしい。線路のレイアウトを見ると非常に納得の行く話だ。SLがいなくなった今もそのままなのは気動車でも事情が同じなのだろうか。

かつては、駅の北東方向(新井方面右手)に銀山から出る鉱石を積む貨車用のヤードがあり、新井方面へ列車が出発すると右手に良く見えていた。その場所にはいまはマンションが建っている。また、SL時代は特急などの追い越し時に貨物列車の待避線としても使われていたようだ。

生野駅は、駅を出発したらすぐに新井方面への25パーミルの下り坂になっていて目に見えて急坂であるのが面白い。すぐにトンネルであるため、かつてはこのトンネルから煙を噴き上げながらでてくるC57の写真もよく見られた。

逆方向のお隣の長谷は山あいの静かな無人駅で、何とも言えない風情のある駅なのだ。実はSLがいた頃にはこの区間に来たことがなく、数年前に初めて降り立ち大変悔しい思いをした。とはいえ、今でも佇まいはかわらず、国鉄色の気動車がよく似合う。生野-長谷間の風景も基本的には、昔、写真で見たものと変わらない。SLがいないだけだ。半世紀の時間が経っていることを考えると逆に凄いことかも知れない。

2020年の2月6日、雪になったので行ってみた。現地の人によると、昔はよく雪が降ったが、近年は本当に雪が少なく、この日は今シーズン初めての本格的な雪だと話していた。