「まなびの鉄道館」という名前はどうなんだろうかと考えたりするが、ひょっとしたら補助金などの事情でそういう趣旨性を求められたのかもしれないなどと勝手な想像をする。

とはいえ、鉄道マニア、それも昭和の鉄道マニアにとってもなかなかうれしい施設なのではないだろうか。そりゃ、欲を言い出したらいろいろあるだろうが、こんなに立派な扇形車庫や転車台がちゃんと残されていて、それなりの車両が良い状態で保存されているだけで有り難い。扇形車庫はSL時代の象徴だ。主な拠点にはあった。関西だと梅小路、吹田、姫路、奈良、竜華・・津山付近だと新見機関区にもあった。転車台から放射状に線路が延び囲むように扇形に車庫があるという独特のムードがあった。周辺には給水や給炭の設備が、扇形車庫があるような大きな機関区だとクレーン状の巨大な給炭設備があった。給水炭の設備こそないが、転車台と扇形車庫が残っているのは大変貴重なことだ。

子供連れを考慮してか入場料が安いので、収支は合うのだろうかと余計な心配をしてしまう。別に会員を募ってメンテナンス費用を積み立ててはどうかとか・・・・やってるのかな?

キハ181、DF50、キハ58、キハ20、DD51などツボを押さえた車両群ではないだろうか。D51だけが津山には似合わないかなと思ったりしたが、そう言い出すと他はどうなんだとか・・・別に津山に因んで集めているわけでもないのは明白でDD16やDE50などという珍しい車両もある。

とにかく昭和の国鉄車両の実物を見ることができる貴重な場所だと言える。駅からず〜っと歩いて踏切を渡って線路脇の細い道を歩いて機関庫が見えてくるのは、かつて、姫路や豊岡その他の機関区を見にいったときのワクワクした気持ちを思いだした。

そういえば、そういう駅に来ると煙臭かったし、機関区のあちこちも煙臭かった。そう言う町に宿泊して窓を開けると大気が石炭の臭いがしたのを思いだした。

昔は、機関区の門を通って事務所に行き、ノートに住所と氏名を書けば、機関区の中を自由に撮影させてくれたから、機関車をいろいろな角度から見ることができた。今ではあり得ない。いまでは、線路脇の犬走りを歩くことさえ通報ものだ。

津山まなびの鉄道館

この津山の地に遺された、価値ある鉄道遺産を後世にしっかりと伝えていくことにあわせて、今や私たちの暮らしに深くかかわっている鉄道の成り立ち、社会や地域とともに発…