紅葉もちょうどいい感じかなと思って行ったが、まだ少しだった。そもそもこの辺りは意外と紅葉が少ない。
なぜかここ数年秋に播但線を撮りに来ると必ず途中で曇ってきて雨になる始末。今回は、ちゃんと晴れマークだったのにまたもや昼頃から雲が出始め、15時頃には撮れないほど暗くなって、ポツポツ雨が(動画にも雨が写っている)。最後には本降りになりまたもや途中で切り上げて帰るはめに。しかし姫路まで帰ってきたら、雨が降った形跡もなく明るい。なんやねんっ!!

長谷駅から生野までの山あいは、川の音と野鳥の声だけが響いてしっとりと空気が落ち着いている。

ところで、何度か来ていて何だろうと思っていた碑がトンネル事故の慰霊碑だと言うことを最近知った。ここの真名谷トンネルで昭和34年に悲惨な事故があったそうだ(播但ファンには周知の事実なのだろう)。

事故は蒸気機関車が客車を逆向きで牽いた回送列車が、和田山から姫路方面へ向かう途中、生野峠手前の急勾配のトンネル内で運転士が煙にまかれて窒息し、気を失って吹かしたまま生野駅を通過。そのまま、今度は下りの急勾配を約4キロ爆走し、このカーブした真名谷トンネルの壁に激突し大破、乗務員(24歳、35歳)は即死だったそうだ。聞くだけで凄惨さが分かる。生野手前のトンネルは狭く、列車の速度は急勾配で遅く、トンネル内に逆風が吹くと煙が後ろに流れず乗務員は煙に巻かれてしまう。

ここらあたりは、基本的な風景は何十年も変わっていない。ひとつだけ残念なのは、ここをモクモク走っていた蒸気機関車がもう見られないことだ。イベント列車で良いから走らせて欲しいと思ったりもするが、大勢の人が押し寄せてくるだろうから、そういうのは嫌だという天の邪鬼なジレンマ。キハ40系も結構老朽化しているので近い将来見ることができなくなりそうだ。
2022年3月に北条鉄道に五能線余剰のキハ40が導入された時の話では、まだ20年は走れるとのことだったので頑張って欲しい。