撮影に行くときは、前もってダイヤグラムをつくりGoogleマップ&アースで撮影地をオンラインロケハンし、撮影地の目星を付けていくのだが、そんな中で誕生寺という駅が気になっていた。グーグルアースの3Dで見ると、古そうな駅舎に、取り払われた離合用の線路の跡、向かいホームは残されたまま草生している。さらに横には廃倉庫らしき建物と、ここにも引き込み線があったのだろう地形など、この駅の佇まいがなんとも良さそうだったのだ。なんとも便利な時代だ。大昔は、国土地理院の地図を買って等高線から地形を想像して行ったものだった。
誕生寺駅の現地に行って見ると、前後の線路も坂になっていて、季節柄桜も咲き、想像した以上にいい佇まい。駅で会った人の話では、青春18切符のポスターにもなったことがあるとか。帰って調べてみると2021年のポスターに登場していた。「列車を降りるとあの頃の夏の臭いがした」というコピー。夏はそんなムードだと思う。日本のローカル線には、まだまだこういう古き日本の魅力的な駅が残っていて、この津山線は特に多い。
お隣の弓削という駅の駅舎は、120余年前(明治31年)の開業時にに建てられたままだそうだ(一部は改装)。そこも貨物用引き込み線跡(線路とホームの跡)が残っていて、当時は近くの山で採れていたスズの鉱石やタケノコをたくさん出荷していたそう。駅で話しかけるとそういう話が地元の人から聞けるのも楽しいものだ。
昔は、輸送の主役は鉄道だったので、ローカル線の駅では貨物扱いがあった駅も多く、短い貨物用側線とホームがあり、貨車が1〜2両停まっていた。
隣の弓削では、山の中の農道を繋ぐ橋らしき跨線橋が気になっていたので弓削から歩いた。いつも写真撮る傍らで動画も撮っていて音声は別録りしているのだが、かなり歩いてきたところで、レコーダーを途中に置きっぱなしにしてきたことに気がつき、約10分の道のりを戻り、都合30服ライロスをしてしまった。おかげでその後の予定変更を余儀なくされ、他に目星を付けていた建部の川には行けなかった。
しかし、前回来たときに遭遇しなかった気動車標準色のキハ40が撮れたのが良かった。